村上春樹さんのエッセー「猫を棄てる 父親について語るとき」(文藝春秋)の装画・挿絵担当に抜擢された台湾のイラストレーターで漫画家の高妍(ガオ・イェン)さん。インタビュー後編では、漫画家としての活動について聞いた。(名切千絵) 「猫を~」の装画・挿絵の仕事について聞いた前編はこちら。 ▽ 高さんにとって「漫画」とは 高さんは、今回の仕事ではイラストを担当したが、自身の出版物はシリーズで描いたイラストと漫画で構成している。インタビューの際、肩書はイラストレーターか漫画家か、どちらのほうがいいのかと聞くと、「両方でお願いします」との答えが返ってきた。 「漫画を描く上でとても大切なことは、自分の私生活の経験をいかにして物語に落とし込むか、そして文化が異なる人でも理解できるようにすること」と高さんはこだわりを明かす。高さんにとって漫画とは「伝えたい心の内を伝えられる表現形式」だ。 幼少期は漫画家にな