徳川家が江戸鎮護のために不動尊を五箇所に置いたのがはじめで、庶民の信仰を集めたといいます。五色不動の現在の安置場所は、「目黒不動」が目黒区下目黒3丁目の滝泉(リュウセン)寺、「目白不動」が豊島区高田2丁目の金乗(コンジョウ)院、「目赤不動」が文京区本駒込1丁目の南谷(ナンコク)寺、「目青不動」が世田谷区太子堂4丁目の教学院、「目黄不動」は二説あって台東区三ノ輪2丁目の永久寺あるいは江戸川区平井1丁目の最勝寺のそれとされています。 五色の由来は、文字どおり目の色からとも、後背の炎に映ずる本体の色づけからともいいます。目黒不動・目白不動が地名・駅名などのもととなっていることは、言うまでもないでしょう。 (参考資料) 『江戸学事典』(弘文堂 1984年 2136/289/84) 『東京史跡ガイド目黒区史跡散歩』・『東京史跡ガイド豊島区史跡散歩』・『東京史跡ガイド文京区史跡散歩』・『東京史跡ガイド