7月26日、加藤智大死刑囚(2008年の秋葉原無差別殺傷事件で2015年に死刑確定)への刑が執行された。 だが日本の死刑制度は徹底した密行主義に貫かれ、「執行された」ということ以外は法務大臣や法務省から明かされることがない。 本日は死刑囚、刑務官、被害者遺族、元法相などへのインタビューで死刑制度の全貌に迫る書籍『ルポ 死刑 法務省がひた隠す極刑のリアル』(佐藤大介著、幻冬舎新書)の抜粋記事を再掲。 死刑制度の抱える問題点について、改めて考えてゆきたい。 * * * 房から刑場までの道のり 房から刑場までの道のりは、拘置所によって異なる。法務当局は、刑場の位置について「保安上の理由」(法務省)から公開していないが、関係者の証言などから、東京拘置所や名古屋拘置所のように地下にある場合もあれば、別棟にある場合もあることがわかっている。 いずれの場合も、刑場の入り口には「死刑執行場」などと