前回に引き続き、グループ内再編の会計実務をまとめました。 Ⅱ単独上は連結ベースの剰余金に合わせる 1.子会社の合併における「抱合せ株式償却差益」 次に、100%子会社を合併したケースを見てみましょう。マルコという大証2部上場の会社が平成18年8月に100%子会社(ヤマトテキスタイル)を合併しました。平成18年8月期の決算短信によると、単独財務諸表のP/Lの特別利益で「抱合せ株式償却差益」71,313千円が計上されています。これこそが今回の企業結合会計のポイントです。従来の実務であれば、これは多分に資本準備金で処理されていたと思われます。 合併という資本取引から損益が生じるのは一見驚きであるかもしれませんが、連結上はすでにその部分は利益として計上されているのであって、親会社が自分の腹に子供を入れるときには、単独上も連結に合わせる形で利益にとるのです。これによって、当該子会社の利益剰余金が連