農林水産省の調査によると、2019年度のジビエ(野生鳥獣の肉)の利用量は、2008トンだったそうだ。このうち、シカは973トン。前年度比1.7%増だが、イノシシは406トンで4.7%減った。 この利用量は、前年度より6.4%増えたことになるそうだが、目標として掲げていた2600トンには届いていない。 そこで同省は、25年度までにジビエに利用する獣を22万頭に増やす目標を新たに掲げている。重量換算すると4000トンものジビエを供給しようという計画だ。 なぜ、これほど農水省はジビエ、ジビエと熱心なのだろうか。まさかシカやイノシシの肉をウシやブタなどの肉にとって代えようと思っているわけではあるまい。 そこには「ジビエ利用を増やして、農林産物への獣害を減らそう」という思惑がある。 近年、獣害が激しさを増している。とくにシカやイノシシによる農作物被害は深刻で、一夜にしてその年の収穫物を全滅させる。獣