全日本空輸(以下、ANA)は、国際線の予約システムを、スペイン企業のアマデウスITグループが提供するクラウドサービスへ移行する。これにより年間約10億円のコスト削減効果を見込むが、その目的はコスト削減だけではないと、同社業務プロセス改革室長(前IT推進室長)の幸重孝典氏は言う。アウトソースの狙いやIT戦略について、幸重氏に聞いた。 国際線のビジネスモデルの変化が 欧州のクラウドサービスへの移行の背景に ――ANAでは、国際線の予約システムに、スペインのアマデウスが提供するクラウドサービスのシステムを採用しました。どういった背景によるものでしょうか? ゆきしげ・たかのり/全日本空輸株式会社 上席執行役員 業務プロセス改革室長。1955年生まれ。78年全日本空輸入社。営業本部、販売本部などを経て、2000年に国内線ドットコムに設立メンバーとして出向。本社の営業推進本部WEB販売部部長などを務め