バーチャルYouTuberがぶつかる制約の壁は大きい。ピアノが弾けても、ピアノを弾く姿を見せることは難しいのだ。 昨今のバーチャルYouTuberブームの中で、彼らはいかに彼ら自身のプレゼンスを強くするかに悩まされている。「人間的に自然」なものをバーチャルという100%人工的なステージで表現する為の技術は現在も進化しており、その片鱗は「音楽」においても見えてきた。それはバーチャルYouTuberを楽器の演奏者として立たせることであった。 3Dモデルの存在である彼らが、楽器を演奏している姿を見たことがあるだろうか。筆者がこれまでに見てきたのは、「ピアノを弾いているが手元を写していない」ものだったり、「頭以外全部実写」だったりといった、誤魔化しや突き抜けた発想でカバーしているものたちである。仕方ないことだ。楽器演奏において指の細かい動きは必要不可欠だが、それを3Dのトラッキングで表現するのは不