ありきたりの表現で申し訳ないけど、東京事変のアルバムはもちろん、『無罪モラトリアム』や『勝訴ストリップ』、もしくは『加爾基 精液 栗ノ花』の初期三部作を軽く超える椎名林檎の最高傑作だと思う。ただ、次くらいにそれを上回りそうなので、そう呼ぶのを躊躇ってしまう。 そもそも東京事変と並行して行われていた2009年の「ありあまる富」も含まれているためここ5年のシングル曲が網羅されており、そういう意味でコンセプト感に欠けるアルバムになると予想していた。しかし主に新曲を前半に配置し、後半にシングル曲を固めてきた展開が功を奏したのだと思う。特に「カーネーション」は、このアルバムを通して聴くと響きが全く違って聴こえてしまう構成は本当に見事だった。 椎名林檎「カーネーション」 また、テンションが高すぎて張り裂けてしまうそうな「NIPPON」が、アルバムを通すと東京事変の「閃光少女」と同じくらいサクッと聴けて