死ぬということはどういうことなのでしょうか。 誰にもわかりません。ただ、人々にもう会えなくなることだけは確かです。 それについて、私は次のように考えることがあります。 絶海の孤島に、豪華クルーズ船も顔負けの施設が完備した巨大ビルがあります。世界中の料理と美酒が食べ飲み放題です。ショーや音楽などを楽しめ、ジムやプールで運動ができ、邸宅のような居室でくつろげます。 ただし、外界とは遮断しゃだんされています。出ることはできず、外の情報を得たり、情報を発信したりはできません。 死が近づいた時、神様から、「このビルに入れば少し長生きできるが、行くか? ただし、ビルから出て現世に戻れば、これまでの記憶を失い、現世で築いた人間関係から財産や業績まで、すべてゼロになる」と聞かれたら、どう答えるでしょう。 「行く」を選んだ場合、最初はビルの生活を大いに楽しむでしょう。しかし、時がたつにつれ、毎日会う人もやる