近年、新たな夏の風物詩として定着してきたものがある。大手牛丼チェーンによる、うな丼合戦だ。 競い合うのは、外食業界最大手のゼンショーが運営する「すき家」と、老舗の「吉野家」。 両社は2007年から毎年、6月になると、うな丼を提供している。最も需要が高まる7月後半の土用の丑の日頃までの期間限定商品だ。 その肝は、なんといっても、価格にある。 開始当初の2007年は、吉野家が490円、すき家が550円と、うな丼としては破格の値段で話題をさらった。 個人経営のうなぎ屋ではうな丼が1000〜2000円というのも珍しくない。その半分程度とあって、サラリーマンが列をなして待つこともあれば、土用の丑の日には持ち帰り用の弁当販売が急増するなど、人気となっていた。 ところが、今年、両社は大幅な値上げを余儀なくされる。うなぎの稚魚の不漁により、うなぎの価格が高騰しているからだ。 すき家は2010