東京電力福島第1原発の事故処理費用について、経済産業省が従来想定の11兆円の2倍程度となる20兆円超に上ると試算していたことが28日、分かった。廃炉や賠償、除染費用が拡大した。経産省は費用の一部について電気料金へ転嫁して回収する考えで、消費者の負担が拡大しそうだ。 経産省は有識者らからなる「東電改革・1F(福島第1原発)問題委員会」(東電委員会)などで東電の再建計画を検討している。試算を踏まえ、年内に東電支援策を取りまとめる方針。 新たな試算では、賠償が従来想定の5兆4千億円から8兆円に増える。除染については帰還困難区域など対象が拡大しており、当初見込みの2兆5千億円から5兆円程度に増大する見通し。2兆円を想定した廃炉や汚染水対策費用は数兆円規模での上振れが避けられない情勢だ。除染後の廃棄物の中間貯蔵施設は1兆1千億円と計画を変えなかったが、費用が大幅に増加する可能性が指摘されている。