いよいよウナギが“高嶺の花”になってしまうかもしれない。 ニホンウナギの稚魚が深刻な不漁に陥っている。例年、11月ごろから始まるウナギの養殖だが、2018年度(17年11月以降)最初の2カ月間で国内の養殖池に入れられたのは、わずか0.2トン。1年前の同時期の5.9トン、2年前の2.9トンと比べても非常に少ない。「こんなに取れないのは初めてじゃないか」(日本鰻輸入組合の森山喬司理事長)。 不漁原因の特定は難しい 稚魚の取引価格にも影響が出始めた。森山理事長は「輸入物を国内に卸す価格は、1月22日時点で1キログラム当たり390万円になった」と明かす。これは記録的不漁だった2013年度の平均価格248万円を大きく上回る。 ウナギは生態がほとんど解明されておらず、完全養殖による量産方法が確立されていない。そのため、川から稚魚を捕獲して成魚に育てるしかない。日本で生産される品種のほとんどがニホンウナ