神社は区内随一の高台(標高35メートル)にあり、「小山」の地名の由来となったとされる場所で、面積はテニスコート約12面分に当たる3064平方メートル。起源は1030年にさかのぼる。100本ほどの木々が繁り、樹齢約200年の区指定天然記念物のシイノキ2本もそびえる。住宅などが密集する一帯で貴重な空間だ。 マンション計画が明らかになったのは今春。神社によると、築85年と老朽化した社殿などの改修費用(約2億3000万円)を賄うため、敷地の約半分を70年の定期借地で東急不動産に貸し、地上3階地下1階の30戸入居の低層マンション(高さ10メートル)を建てる。広々とした空間はなくなるが、資金を調達する方法は他にないとする。森田一(はじめ)宮司(61)は「施設が雨漏りする。改修は10年近く検討してきた。2030年の千年祭を、きちんとした社殿で行いたい」と説明する。