全国47都道府県を駆け巡る冒険に区切りをつけた。 元々バックパッカーの経験もなく、日本国内に絞った数多の旅路は”自己を確立するため”の時間だったように思える。すべてが新しい体験だった。 仕事の領域を超えた非合理的な運動は、好奇心の火種を大きな炎へと変貌させていった。原動力はなんだったのか。だれに頼まれたのか。何もしらなかった無知でアホな自分にとってのジモコロ編集長の小舟は、大きな時代のうねりを受けて流されるままに進んでいくこととなる。 見知らぬ世界に飛び込んで、誰かの人生に土足でズカズカと踏み込む。一方的で軽薄な行為にも思えるインタビュー取材の時間は、いつしか人間と人間の対話でしかないと感じるようになった。 同時に、貴重な時間を割いてもらった僅かながらのお礼として、「流行り廃りではない。世に残り続ける言葉のアーカイブをするぞ!」と意気込むように。その価値の判断は取材対象者、そして読者が判断