──香取さんは最初に台本を読んだときどう思われました? 香取:本を読んだ段階ではよくわからなかったです。稽古で初めて「これ俺だったんだ!」っていうのが結構ありました(笑)。10役くらいやるんですけど、セリフがない役もあって。 三谷:いわゆるアンサンブル(その他大勢の役)ですよね。誰かがメインの時は他の人はバックダンサーやコーラスをする。今回はそういう「全員野球」でやろうと思っていたんです。 ──香取さんがアンサンブルをやるって衝撃的です。 三谷:実は香取さんにオファーするのは勇気がいりました。でもそれ以上に、僕は早く香取さんと仕事をしたかった。新しい環境で新しい仕事を始めた彼と、また何かやりたかった。その思いを表明したかった、彼に対しても、世間に対しても。僕は役者・香取慎吾も好きだけど、香取慎吾という人間そのものが好き。だから何でもよかった。一番早かったのがこの舞台だったんです。一緒に仕事