事件から半世紀以上が経った2020年代でも、被害金額3億円は豪邸の購入に匹敵する大金であり、現金窃取事件としては当時の最高金額であった[注釈 2]。これは、2014年(平成26年)の貨幣価値に直すと、消費者物価指数で見れば約3.5倍の約10億円の価値に当たる[6]。 事件当時、大卒の初任給が約3万600円と言われ、2016年の初任給20万3800円と比較すると、約20億円の価値に相当する。その他、50~100億円の価値に相当するという意見もある。いずれにせよ、その後に起こった現金強奪事件と比べても[注釈 3]、貨幣価値においてはいまだ国内最高である。 1968年(昭和43年)12月6日、日本信託銀行(後の三菱UFJ信託銀行)国分寺支店長宛に速達で郵便物が届いた。内容は「翌7日午後5時までに指定の場所に300万円を女性行員に持ってこさせないと、支店長宅を爆破する」というもので現金を要求する脅