【解説】アメリカは「茹でガエル」と化したか...見えない出口、麻痺する民主主義 ~バイデン政権就任1年 復活への課題~ バイデン政権が発足して一年が過ぎた。しかし、一年前の期待は急速に萎んでいる。決して期待が大きかったわけではない。普通の状態に戻してくれさえすればそれでいいという期待だった。トランプ時代の喧騒と対立を鎮めてほしい、人と人とが普通にアメリカが直面している問題について会話ができるような状態に戻して欲しい、そうした期待だった。しかし、振り返ると、この期待は大き過ぎた。アメリカは想像以上に深い闇に入り込んでいる。 2020年の大統領選挙に敗北したものの、敗北を認めず不正を訴え続け、そしてそれが2021年1月6日の議会乱入事件(MAGA反乱)に至った一連の流れを見て、さすがにトランプ時代の「過剰さ」に終止符を打つべきだという方向にアメリカが全体として舵を切ったかに思われた。そうした方