「感情的な議論」「身内のルール優先」「自社にしかわからない言葉を使う」……「子どもの論理」ばかりで動く組織に警鐘を鳴らす。 ボート競技の「エイト」をご存じだろうか? コックスと呼ばれる舵手1人だけが前を向き、あとの8人の漕手は後ろ向き。全員が同じリズムで、同じ力で漕いではじめてスピードが上がり、勝利へと近づける。漕手に、飛び抜けた力量を持つ者は、要らない。 戦後、これに類似した組織形態をとり、成長してきたのが日本企業だ。一体感を高め、仲間意識を醸成し、皆で一所懸命、同じ目標に向かって力を合わせてきた。バブル崩壊までは、それが勝利の方程式だったのだ。 しかしいつの間にか、大人の仕事場であるはずの会社において、社員たちは、子どもの仲良しグループのように馴れ合い、一流の人材を排除しはじめた。 それどころか、個人の成長さえ妨げられ、未熟な大人たちが跋扈している。まさに組織と人が〈子ども病〉に罹患し