東芝倒産の危機をはじめ、日本の白物家電業界が絶滅の危機に追い込まれている。かつて世界市場を席巻した日本の電気産業は、なぜここまで凋落してしまったのか? 根本的な原因を探った時、浮かび上がるのが二つの超巨大企業の存在だった…。 記者として長年電気業界を取材し続けてきた大西康之氏が、その要因を著書『東芝解体 電気メーカーが消える日』で明かした。 凋落の原因はなにか? 名門東芝が経営破綻の危機に瀕している。 粉飾決算(東芝自身は「不適切な会計」と呼んでいる)が発覚したのが2015年の春。そこから、あれよという間に白物家電や半導体メモリー事業を売却するという、事実上の解体に追い込まれた。メディカル事業はキヤノンが、白物家電は中国の美的集団(マイディア)が買収。半導体メモリーの買い手はまだ決まっていないが外資になる見通しだ。 それでも原発事業で発生した損失を埋めきれる保証はない。米原発子会社のウェス
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