父さんにも殴られたことないのにカツアゲに遭った。午前中に高崎駅構内で被害者になった僕は今、熱くなった頭を冷やすために、高崎駅東口にある、一面ガラス張りで、入り口の広さが悲しくなるほど人影は疎らで、四角くピカピカした姿はどこか宗教的で、そのうえ突如巨大ロボットに変形しても、うむ然り、と納得してしまうであろう機械的な外見もかねそろえていて、それでいてオッパイを半分露出させた女の子が一階でMP3プレイヤーを眺めるような通俗的な空気もしっかりと持ち合わせていて、ついでに高崎の町ん中じゃちょっと無視出来ないだろう的な自尊心もびしびし感じさせるヤマダ電機高崎店、その5階、中華料理屋で生ビールを飲みながら開いたノートパソコンを叩いている。その、午前の出来事を総務ガールに電話で言うと「情けない…」なんて言われる始末で、被害者の僕は怒りのブラインドタッチ、叩く叩く叩く。 朝、高崎駅。朝食も食べずにママチャリ