見た目は「野暮ったいiPhone」だが、猿真似ではない。垂直統合で次世代覇権めざす。 ◇ また得意のパクリかよ――思わずそう言いたくなる。中国で約5億人のユーザー数を誇る世界最大の携帯電話会社、中国移動通信集団(チャイナモバイル)のスマートフォン「OPhone」(オーフォン)のことである。正式発表されたのは8月31日だが、端末がべールを脱いだ5月にその外見を一瞥した人は、日本ではソフトバンクが扱うアップルの売れ筋「iPhone」(アイフォーン)にそっくり、と思ったろう。 が、全容が明らかになるにつれ、猿真似と一笑に付せなくなってきた。次世代携帯電話の覇権を握ろうと、中国政府が国策レベルで仕掛けるスマートフォン端末とその開発環境の総称が「OPhone」なのだ。 日本の端末メーカーの中堅幹部は「チャイナモバイルは、OPhoneでNTTドコモのiモードのような垂直統合モデルを確立しようとしている