【日本はいつから病にかかっているのか】#4 日本は明治維新、敗戦、そして近い将来に訪れると3度目の大きな転換期「南海トラフ地震」を目前に備えているとき。日本の未来を憂う心配性のドクター、解剖学者の養老孟司さんと精神科医の名越康文さんが日本、そして日本人を診察しアドバイスを処方した書籍「二ホンという病」(発行・日刊現代/発売・講談社)から、気になる問題を一部抜粋し紹介する。 養老孟司氏が語る“生きづらさの正体” 「バカの壁」から20年「ヒトの壁」が立ちはだかる ◇ ◇ ◇ 6月4日は「虫の日」。解剖学を通じ、長年虫の標本を作ってきた養老さん。この日は、建長寺の虫塚で虫供養の法要を行った。近年は昆虫食ブームなどがあるが、実は虫の数は減っており、深刻な状況だという。 養老 デイヴ・グールソンという人がね、「サイレント・スプリング(沈黙の春)」(レイチェル・カーソン)に倣って「サイレント・アー