No.11 「行き詰まりがテーマを生む」 堀川:参考に井上さんが求めてきた作画テーマの変遷を語ることはできますか? 井上:具体的にはなかなかすぐには思い出せないけれど、その時々でね、行き詰まりを感じたこと、それを突破するために―テーマを探すんじやないよね―行き詰まりがテーマを生む。 堀川:例えば川面(恒介:P.A. WORKSの原画マン)は攻殻の原画で「描けないんです」って言うけど、「これに行き詰まっているんです」って云うようなものはあるの? 井上:それを言葉にはしづらいんじゃないかな。 川面:僕は結論は出ているんですよ。画力が足りない。 井上:画力に対する行き詰まりっていうのは切実なことなんだよね、実は。描きたい絵にならないって云うのは。でも、そう感じていれば上手くなるって云うのは変な根性論みたいだけど、自分の絵に不満がないと。これじゃないんだよな、うまく描けないなって云う気持ちがあるの