GW中に関越道で起きた貸切ツアーバス事故の死者7名は、全員が車体左側(助手席側)に座っていた乗客で、14名の重傷者もほとんどが左側だった。一方、右側(運転席側)にいた人は、居眠り運転をしていた運転手がほぼ無傷で済んだのをはじめ(事故2日後に自動車運転過失致死傷容疑で逮捕)、軽傷者が多い。 自動車整備士などの育成を行なう中日本自動車短大の大脇澄男・教授(自動車工学、交通心理学)が語る。 「過去に起きたバス事故の多くは、車体の左側を破損・損壊させています。今回のような居眠り事故は論外ですが、運転手は本能的に自らの安全を守ろうとするために助手席側を衝突させるからです」 その傾向は、国交省が調査した過去5年間のバス重大事故からもはっきりわかる。事故の種類には衝突、横転、追突、転落、火災などがあるが、大脇教授の指摘通り「破損が激しいのは左側」というケースが大半だ。 では、前方と後方ではどちらが安全な
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