ドン・キホーテの創業者である安田隆夫が書いている「安売り王一代 私の「ドン・キホーテ」人生」 (文春新書) を読んでいたら、面白い話があったので紹介しておこう。 ドン・キホーテの持ち味は何と言っても深夜営業、ナイトマーケットである。 昼間にスーパーマーケットで買物をする主婦とは違う客層である。 夜10時から午前2時までが売れるのだ。 生活必需品とは言えない怪しげな品物が、いわゆる圧縮陳列で所狭しと並んでるから、宝探しの感覚で買ってしまうわけである。 目的の商品を探しているのではなく、むしろ面白いものがあったら買うのである。 その瞬間的な閃きは衝動的であるし、まさに衝動買いなのだが、たいした金額ではないので流行るのであろう。 深夜という時間は人間を非日常に目覚めさせるらしい。 世間が寝静まっている時に起きていると、なぜか世俗を超越したような特権性がある。 当然ながら、深夜営業への抗議というの