2016.08.01更新 K氏がとあるWeb連載で「てっちり」のことを書いたら、いきなりの書きだし部分で「てっちり(=ふぐ鍋)」というふうに(カッコ)付けさせてくれ、と編集担当からメールがあった。 てっちりという大阪特有の鍋料理は、それを日常的に食べているエリアや職業などのある社会的属性の集団があって、てっちりを滅多に食べない人は、そういう人らと鍋を囲むときは、かれらに「鍋奉行」を任せる。そういうことになっているのだ。 つまりてっちりとは、どういう鍋料理なのか一番深く知る経験者がリーダーになってしかるべきで、そこに「ふぐ入りの寄せ鍋」と「てっちり」の違いがある、みたいな内容だった。 これはグルメレベルの話ではなく、人と人が会食する際の「街場の倫理学」のようなものである。大阪の街においての「食べることのおもしろさや深さ」を顕彰しようとするK氏は、いつも皿の上の料理や食材や調理法よりも、そうい