2010年3月24日のブックマーク (1件)

  • マーキング - ピロウホリック

    気づいてしまった。わたしは、他人の感情を揺らすことを生きがいにしている生きものだ。揺らすって感動とか、喜びとか、そちらにではなくて、怒りや悲しみといった、感情の針をひどく左がわに振れさせるほう。針の振れ幅が大きければ大きいほど、わたしは腹を満たす。 このあいだ東横線の同じ車両に乗り合わせた若い男性は、真っ赤な顔を怒りに歪ませて(それはもう、ひと目で怒りとわかる形相だった)、手すりを掴むなり叫んだ、「あああああああああああむかつくなああああっ」。前後の車両の人びとまでもがそろって身を竦ませるような、おそろしく大きな声だった。わたしは驚いてどきどきしながらも、なぜか強く惹きつけられてしまって、目線を悟られぬようにそっと男性を観察した。白くなるほどに握りしめられたこぶし。赤い耳。漫符のように額に浮き出した血管。思った。うらやましいな。こうまで人を怒らせることのできる誰かが。 わたしは好きな人や、

    マーキング - ピロウホリック
    ukya4
    ukya4 2010/03/24