2020年4月18日、日本感染症学会のシンポジウムが開催され、現在日本の新型コロナウイルス対策にかかわる厚労省の専門家会議、クラスター対策班のメンバーの多くが登壇した。講演のなかから一般の方にも有用な内容をお届けする。 「無症状、あるいは軽症のほうが放出するウイルス量は高い」現在クラスター対策班で全国の感染状況を解析する立場にある東北大学大学院医学系研究科 微生物学分野 教授の押谷 仁氏が登壇し、これまでクラスターを調査した中から得られた知見を共有した。 このウイルスの感染メカニズムを説明する中で、押谷氏は「症状の重症度と感染力の高さはリンクしておらず、むしろ無症状、軽症の患者のほうがウイルス量は高い」と指摘した。また複数のクラスターを分析した結果わかったこととして「高齢者の方が他の年代より放出するウイルス量が高い」ことも示した。 権威ある論文誌New England Journal of