子どものころ、私は電子専門紙を読み始めたことがきっかけで、エレクトロニクスの道に入った。しかし、雑誌からエレクトロニクスを学ぶのは困難だった。内容はビギナー向けではなく、プロジェクトも面白くなかったからだ。その雑誌は、すでにある程度の技術がある電子回路愛好家を対象にしていて、電子回路とはどういうものか、それを使って何がきるのかといった初心者向けの解説には力を入れてなかった。 私が本格的にエレクトロニクスを学び始めたのは、あるキットをプレゼントしてもらってからだった。それは、Lectron Systemというキットで、ドイツのブラウンという会社が作った製品だ。キューブ状の部品が磁石でつながるようになっていて、簡単な説明書に従ってつなげれば、いろいろな回路が組めるというものだ。キューブは透明になっていて、中の電子部品が見えるようになっていた。 そのキットにはすべてが揃っていた。わかりやすいイラ