ビッグデータとアルゴリズムの組み合わせによって、ある人が「犯罪者になる確率」を予想できるシステムが、シカゴ警察で導入されている。 たしかに治安は改善するかもしれない。しかし、そこには思わぬ落とし穴がある。システムが差別を助長し、再起の可能性を奪っていく──ビッグデータ社会の「暗部」が見えてきた。 ビッグデータで「犯罪者候補」が明らかに 普段通りの生活を送っていると、ある日、突然警察官がやってきて「このままだと余生を塀の中で過ごすことになるぞ」と警告される。 またある人は、「生活環境を変えないと大変な被害にあいますよ」と忠告される。 しかし、当人たちには、心当たりも身に覚えもまったくない――。アメリカの大都市シカゴでは、いま実際にこんな経験をする人たちがいる。 アメリカという国は、犯罪の「予防」に強く力を入れてきた。1994年、ニューヨーク市警は、戦略管理システム、通称「CompStat」と
![君が犯罪に走る確率は…米警察で導入「犯罪予測アルゴリズム」の功罪(堀内 進之介)](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/04c55e5b366d859c2b79636a757e496631698cd7/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fgendai-m.ismcdn.jp%2Fmwimgs%2F7%2Fc%2F1200m%2Fimg_7c3ea74053b9e698556cebc1562bce0c31275.jpg)