在庫ゼロ、入荷未定…不穏な足音が 新型コロナウイルスによる緊急事態宣言の全面解除に伴って、日本は“ウィズコロナ”、“アフターコロナ”と呼ばれる第2フェーズに入った。安倍首相も「コロナと共存」「経済目線」と発言からも、国内を包んでいた雰囲気が変わってきつつあるようだ。 筆者は外食産業専門コンサルタントであり、グループ企業では飲食店企業も経営している。当然休業要請などコロナ禍の影響も大きいものとなり、現在もコンサルタントクライアント企業対応と、グループ企業の飲食店の対応に追われる日々だ。 そんな中、食の最前線の一業種である外食産業に関わっているからこそ、コロナ禍での様々な現象を目にすると共に、これから「プチ食料危機」が起きることを確信している。 多くの飲食店が休業や営業短縮の対応をする中、納入業者、問屋、市場の卸しといった人たちは当然、飲食店からの発注(売上)激減に苦しんでいる。我々の元にも日
昨年秋、静岡市清水区で5代続いたサクラエビ加工業者が店を閉めた。販売するエビが底をついたためだった。2年前、記録的な不漁に陥った静岡県の名物「駿河湾産サクラエビ」。以降、価格が高騰し、代わりに台湾産の存在感が増している。最も信頼していた取引先から「安価な台湾産がほしい」「おたくが扱わないならほかの業者に頼む」と言われ「もはやこれまで」と腹をくくった。「駿河湾で育まれたサクラエビは生ならぷりぷりで甘く、干せばただ香ばしい。エビの味しかしないんだよ」 1970年の大阪万博で、父は「静岡代表だ」と勇んでサクラエビを売りに出した。「当時は全然売れなかったけどね」。海にほど近い自宅の居間で、大石一芳さん(73)は先代たちの写真や肖像画を時々眺めながら思い出を語り、「皆には申し訳ないなと思う」と声を詰まらせた。 静岡での台湾産の加工は1980年代、それまで90年近く培ってきた技術を生かす形で始まったと
昨日近所のスーパーで買ったカツオが衝撃的に美味しかったのでその話をします。 我が家では一皿のカツオのお刺身が5人家族によって争奪戦になり、最後に3枚残ったお刺身のうちの2枚を次女が食べようとして大ヒンシュクを買ったり、競争に敗れた三女が大泣きしたり、けっこうな騒ぎとなったわけです。 そのカツオの写真がこちら。 普通のお刺身用のカツオ…と思うでしょう!? でも、私は元・築地のセリ人で今でも自称・魚の目利きなので、スーパーで見た瞬間に、これはヤバい…と思いました。 「めちゃくちゃ美味しそう!」と、「日本の水産業が大変なことになっている!」という二重の意味で。 note2日目にして長くなりそうですがお付き合いください。 さて、こちらはパックから出した柵です。 これをお刺身にして盛り付けるとこうなります。 もう、写真をアップしただけで味を思い出して涎が出てきます…。 これを、去年5月に買ったカツオ
ご飯のおともとして愛されてきた梅干しの消費が振るわない。1世帯あたりの年間支出額は近年のピークにあたる平成11年から減少傾向が続いている。若者が好まなくなったことが原因とみられ、世帯主が29歳以下では過去20年で半分近くに激減。70歳以上と比較すると5倍以上の差が生じている。梅収穫量全国一の和歌山県も例外ではなく、若者らに質問すると、「酸っぱいのは苦手」などという声が相次いだ。(張英壽) 【グラフ】梅干しの1世帯あたりの年間支出額 ■和歌山でも「嫌い」 和歌山市中心部のJR和歌山駅前。3月上旬、若者を中心に「梅干しが好きか」と質問してみた。 「嫌いです。食感が好きではないし、酸っぱいのがいや。小さい頃、食べたけど、それ以来口にしていない。家族は好きだけど、自分は食べません」 市内に住む20代後半の会社員女性はこう言い切った。 ここまで「嫌い」とはっきり断言した回答は少なかったが、梅干しの強
商品がなくなったことを謝罪するメッセージが張られた英ロンドンのスーパーマーケットの陳列棚(2020年3月31日撮影)。(c)Isabel INFANTES / AFP 【4月2日 AFP】現在進行中の新型コロナウイルス危機に当局が適切に対応できなければ、世界的な食料不足が発生する恐れがあると、国連(UN)専門機関の国連食糧農業機関(FAO)と世界保健機関(WHO)、関連機関の世界貿易機関(WTO)の3機関のトップが1日、警告した。 世界の多くの政府がウイルス拡散を遅らせるためロックダウン(都市封鎖)に踏み切ったが、これにより国際貿易と食料品のサプライチェーンに深刻な影響が出ている。 多くの国で、ロックダウンの対象となった都市の住民がパニック買いに走り、スーパーマーケットの陳列棚が空になった。これは食料品のサプライチェーンの脆弱(ぜいじゃく)さを示している。 FAOの屈冬玉(Qu Dongy
「Getty Images」より 歴史的暖冬で野菜の成長が早く、鍋需要も伸びないなかで、野菜価格の下落が続いている。キャベツ、レタス、白菜、大根、ブロッコリーなどは平年と比べ3割前後のダウンとなっており、全国の野菜生産者は廃棄などで出荷調整などに取り組んでいるが、経営への打撃は大きい。 このようななか、生産者をさらに不安にさせているのが、野菜価格安定制度の廃止を狙う財務省の動きである。野菜生産出荷安定法で、価格の著しい下落時は生産者補給金が給付されることになっている。対象指定野菜は14品目で、キャベツ、きゅうり、里芋、大根、たまねぎ、人参、トマト、白菜、ナス、馬鈴薯、ねぎ、ピーマン、ほうれん草、レタスとなっている。ただし、暖冬で同じように影響を受けているブロッコリーは、指定野菜でない。 指定野菜は、平均販売価額が基準価格の9割を下回った場合、差額の9割を補填するというもの。財源は積立金で賄
新型コロナウイルスの感染拡大防止へ、政府が示した全国小中高校の臨時休校方針で学校給食が停止することを受け、農畜産物の供給に混乱が生じている。学校給食向けの牛乳(学乳)は飲用向け生乳の1割近くで、供給先を失った産地やメーカーは対応に苦慮する。野菜でも給食向け取引のキャンセルが相次ぐなど影響が広がっている。 学校給食に提供する生乳は、全国の飲用向け(年間約400万トン)の1割弱で全て国産。うち最も供給量の多い関東は年間10万トンを学乳に仕向ける。管内の公立学校が2週間休校になると、このままでは7500トンもの生乳が行き先を失う。 関東生乳販連は28日午後4時現在で、取引メーカーからキャンセルが相次ぐ。キャンセル分は日量最大で80トンを見込む。余力のある乳業メーカーに引き受けてもらい、難しければ長期休みに稼働率を上げる乳製品工場に納めたい考え。実質、春休みが前倒しになる形だが、工場の人員確保は難
飢饉の多いエチオピアの高地で、農具と使役動物を使って小麦を刈り取る一家。(PHOTOGRAPH BY ROBIN HAMMOND, NAT GEO IMAGE COLLECTION) 食を取り巻く一大産業。その商品の多くは、体重を減らし、筋肉をつけ、長生きをしたい人々の需要に応えるべく生産されている。 だが、増え続ける世界の人口は2050年までに100億人に達するとみられており、その全てに食料を供給するために、これからの食生活はどうあるべきかといった研究が盛んに進められている。(参考記事:「90億人の食 世界の食の未来」) そのひとつとして、野菜を多くとり、肉、乳製品、砂糖を控えるように提案する論文が、1月16日付けの英医学雑誌「The Lancet」に発表された。「ランセット委員会」の名の下に、栄養や食に関する政策を研究する世界の科学者30人が3年にわたって協議し、100億人の食を支える
「気候変動は、健康上の緊急事態だ」 世界で最も歴史を誇る米医学雑誌「ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン」の最新論文で、研究者たちが警鐘を鳴らした。 地球温暖化や気候変動の問題は誰もが知っているが、その深刻さは想像以上だと指摘する声が出ている。 shutterstock / Alexey Seafarer 異常気象が次々と観測される中、「地球温暖化」「気候変動」という言葉はもはや耳慣れたものとなった。 2018年10月には、国連の気候変動に関する政府間パネルのレポートが、2030年にも世界の気温が産業革命前に比べて、1.5度上昇すると警告したばかりだ。この気温の上昇により、洪水や干ばつ等の異常気象のリスクが高まり、海面も2100年までに0.26〜0.77メートル上がると予測されている。
ミントの香りには、近くの植物に害虫が消化不良を起こすたんぱく質を多く作らせる働きがあると、東京理科大の有村源一郎准教授(分子生態学)らの研究チームが米科学誌プラント・ジャーナル(電子版)に発表した。ミントと一緒に野菜を栽培すると虫による食害が減ることも確認した。低農薬栽培への応用が期待できるという。 植物には香り成分の分泌によって個体間の情報をやり取りする仕組みがある。周囲の植物が害虫に食べられた時に出る香りを感知すると、虫が消化不良を起こすたんぱく質を多く作ることが有村准教授らの研究で既に判明している。ミントと一緒に植物を栽培すると害虫が寄りつかないことが知られており、研究チームはミントの香りに同様の効果があるかどうかを調べた。 10種類のミントのそばでダイズを栽培したところ、ガの幼虫やダニなどが消化不良を起こすたんぱく質を作り出すRNA(リボ核酸)の量が、キャンディーミントで3.4倍、
日本の食卓を支えてきたコメと麦、大豆の種子の安定供給を都道府県に義務付けてきた主要農作物種子法(以下、種子法)が今年4月1日に廃止されました。政府は、廃止の目的に、種子産業への民間参入を促すためと説明しています。一方で、種子法廃止で種子の生産を行ってきた都道府県への予算が今後確保されるか不透明なため、種子供給の不安定化や価格高騰が起こるのではないか、という不安の声が上がっています。 中央と異なる地方の動き 昨年(2017年)2月に種子法の廃止が決定して以来、実に64の地方議会が国会に対し意見書の提出を行い、財源の確保や種子の独占への懸念、種子法に代わる法律の必要性について訴えました。重要な法案に関わらず国会での議論が不十分という意見も多く、廃止に対して懸念の声が高まっているといえます。 新潟・埼玉・兵庫県の3県は、種子法が廃止された同日に独自の条例を制定し施行しました。条例の内容は、3県と
遺伝子技術「CRISPR-Cas9」の特許バトルに裁定、の意味2017.03.02 22:0913,920 福田ミホ CRISPR-Cas9特許はハーバード・MITのブロード研究所のものに。 強力な遺伝子編集技術CRISPR-Cas9は、HIVなどさまざまな病気の治療やデザイナー・ベビーの実現、食料生産の超効率化などあらゆる分野での応用が期待(または懸念)されています。その技術の特許をめぐってふたつの研究機関がバトルを繰り広げていましたが、先日裁定が下りました。 Natureなどによれば、米国特許商標庁はCRISPR-Cas9を発明したのはハーバード大学とマサチューセッツ工科大学(MIT)によるブロード研究所であると判断したとのことです。この技術に対して、カリフォルニア大学バークレー校も自分たちこそCRISPR-Cas9の発明者であるとして、ブロード研究所が持つCRISPR-Cas9の特許
夏バテ防止といえばウナギ。サッカーのワールドカップロシア大会で日本チームも試合前日に食べたとか。土用の丑(うし)の日(今年は7月20日)は近いけれど、絶滅危惧種となって4年、食べてもいいの? ⇒【画像】漁獲量が急減 価格が高騰しているニホンウナギの稚魚 巨大なビニールハウスのような飼育槽の窓から中をのぞいた。餌場の囲いの中で待ちわびるようにウナギが上に下にうねっている。 「よく餌を食べるし、少々手荒に扱っても大丈夫。ものすごい生命力です」 養殖の生産高日本一の鹿児島県、大隅半島の中ほどにある牧原養鰻(まん)(東串良町)社長の牧原博文さん(50)が説明してくれる。飼育槽は全部で10ある。「大隈では一番小さい方です」 ウナギは飼育下で子供を産ませ、増やすことはできないため、養殖業者は、天然の稚魚シラスウナギを別の業者から買い入れ、半年~1年半育てて出荷する。今年は2月と4月に計38キロを仕入れ
国内外で報告が相次ぐミツバチの失跡や大量死の原因として指摘されるネオニコチノイド系農薬。欧州では今春、一部成分の使用禁止が決まった。一方、日本はダニや病気を含む「複合要因説」を取り、巣箱を避難させる被害防止策を指導するにとどまっている。それで十分なのだろうか。 ⇒【画像】巣箱にミツバチを追い込む 女王バチが入るとほぼ10分以内にすべて入る ミツバチは花粉を媒介し農業生産にとって重要な役割を担う。2000年代以降、群れが崩壊する異変が相次ぎ、神経毒のネオニコ系農薬の影響が疑われ、欧州連合(EU)は使用を一部制限するなど対策を取ってきた。今年2月には、欧州食品安全機関(EFSA)がミツバチの維持にとってリスクが高いとの評価を発表。これを受けて欧州委員会は4月27日、ネオニコ系農薬の成分3種(イミダクロプリド、クロチアニジン、チアメトキサム)の屋外使用の禁止を決めた。 目標とする今年末に発効すれ
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く