現代の日本は、非正規雇用の拡大により、所得格差が急速に広がっている。そこにあるのは、いったん貧困のワナに陥ると抜け出すことが困難な「貧困強制社会」である。本連載では「ボクらの貧困」、つまり男性の貧困の個別ケースにフォーカスしてリポートしていく。今回は千葉県在住で、アルバイトで生計を立てるヨシマサさん(37歳)のケースに迫る。彼は記事(高学歴56歳男性が「孤独な貧困」に陥った顛末)を読み、「双極性障害に対して偏った解釈をしてほしくない」と、編集部にメールをくれた。 ■つらいのはうつ、怖いのは躁 「自分では躁の兆候に気づけなくて」 「私は躁になると“過集中”してしまうので、躁に走りそうになったら、タイマーをセットして、仕事でも趣味でも1時間以上集中しないようにしています」 「タイマーですか。それ、いい方法ですね!」 「高校生の息子が不登校になりまして。僕の病気が遺伝したんじゃないかと……」 「