<ドナルド・トランプが大統領に就任した1月、ジョージ・オーウェルが68年前に書いた反ユートピア小説『1984年』がアメリカのアマゾン書籍売り上げトップに躍り出た。大統領就任式の参加者の数を「史上最高」と強弁し、嘘を「オルタナティブ・ファクト(もう1つの事実)」と言いくるめる政権の手法が、独裁政権が徹底して情報を管理するオーウェルの名作を思い起こさせたのかもしれない。だが両者の間には決定的な違いがある> ドナルド・トランプが米大統領に就任してから1週間で、英作家ジョージ・オーウェルの小説『1984』の売上げが急増、米アマゾンの書籍ベストセラーになった。今の時代を読み解く1つの手段として、多くの人が1949年に出版された書物を頼りにしているのだ。 小説の舞台は1984年の「オセアニア」。世界を分割統治する3つの超大国の1つで、残された地域の領有権をめぐって互いに戦争を繰り返す。1950年代の核
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