【中日2―6巨人】引退セレモニーでチームメートや大勢のファンの温かい視線に見守られると、立浪の目は涙であふれた。セレモニーにはPL学園の先輩、桑田真澄氏、清原和博氏も駆けつけた。 「最高の野球人生を送れた。これで、心置きなくバットを置くことができる」 最後まで立浪らしかった。6番・一塁で今季初スタメン。レギュラーシーズン最後のナゴヤドームで絶妙のバットコントロールを披露した。鮮やかな3安打。第4打席では自身が持つ通算最多二塁打のプロ野球記録を487とし、通算安打は2480に伸ばして「最後の打席だと思ったので思い切っていった。塁上で“ツーベースに縁があったんだな”と思った」 PL学園からドラフト1位で入団。1メートル73、70キロの体格ながら抜群のセンスで1年目から周囲の期待に応えた。遊撃から二塁、外野、三塁。チーム事情でポジションを移り、06年からは代打の切り札として存在感を示した。