休み明けの朝、このままどこかに出掛けたくなるような晴天だと腹が立つし、曇っていても気が滅入る。我儘なもんだ。今朝は見事な曇天なのでお約束通りに気が滅入ったままエレベーターに乗り、マンションのエントランスを出てすぐに靴の底に違和感を感じた。ふと足元を見ると割れたワインボトル。辺り一面にはぶちまけられた赤ワインが広がっている。「ファック…」誰に言うでもなく呟く。そうだ。全てがクソだ。乾いたワインで靴底がベトつく度に繰り返し呟く。「ファック・ファック…」何度か呟くうちに内臓まで凍りそうになる。寒さのせいだろうか。そういや今朝テレビでどこかのビッチが「今年一番の寒さ」とか言ってたな。「いつもよりあったかくして出掛けてくださいね」だと。バカにするな。どうせお前は今晩も温かいバーで肌を過剰に露出させた服を着て男を惑わせ、温かい部屋で抱かれるんだろ。その頃俺は、赤ワインでベトベトになった道を歩いて冷たい