文豪・太宰治が幾度となく自殺に用いた睡眠薬「カルモチン」。太宰の代表作のひとつ「人間失格」にも登場していました。現在はカルモチンの名前では販売されていませんが、主成分である「ブロムワレリル尿素」が含まれた薬は、現在もふつーに販売されています。 ブロムワレリル尿素とは ブロムワレリル尿素は、鎮静催眠作用あるモノウレイド系の化合物である。一般医薬品ではアリルイソプロピルアセチル尿素との合剤であるウットや、頭痛薬などにも成分の1つとして配合され、ナロン、ナロンエースが市販されている。 ブロムワレリル尿素は1907年に登場し、危険性から20世紀前半にはバルビツール酸系が主流となり、これも現在では1960年代に登場したベンゾジアゼピン系に取って代わられている。アメリカでは、ブロムワレリル尿素を含む臭化物は医薬品としては禁止されている。日本では1965年より総合感冒薬には使用できない。 過去に自殺に用