日本は、1938(昭和13)年4月の国家総動員法の公布から戦時統制に入り、産業界は政府の統制下におかれました。「カルピス」のように食品のなかで嗜好性の強い飲料は“平和物資”とみなされ、厳しい統制を受けました。1941(昭和16)年に太平洋戦争が勃発すると、全ての原料・資材が軍の統制下におかれ、生産を中止せざるを得なくなりました。事態が深刻さを増していくなかで、「カルピス」が軍需物資として認定されました。こうして、軍の命令により、当社は原料・資材の特配を受け、軍用「カルピス」、軍用ビタ「カルピス」(「カルピス」にビタミンを加えたもの)を製造し、軍部に納入することになりました。