一つの作品作りが終わるとすぐに、次の作品に向かってミーティングが始まる ■『星を追う子ども』の企画の始まりは。 伊藤 「新海監督とはいつも、一つの作品制作が終わる頃には「次はどんな作品を作ろうか」という話をするんです。『雲のむこう、約束の場所』の時もそうでしたし、今回も2007年に『秒速5センチメートル』の公開を終えて、「猫の集会」(NHK「アニクリ15」の中の一編)を作っている時に、「次はこういう作品をやりたい」と言って新海監督が持ってきたのが、乙骨淑子さんの長編児童文学「ピラミッド帽子よ、さようなら」(理論社)でした。とは言え、新海監督はこの時点ではまだ、次に作る物語をどんなものにするか、多くは言及しませんでした。そこで、ちょうど2008年の年初からしばらくの間、新海監督は海外に滞在することが決まっていたので、僕は「海外にいる間に、どういう映画を作りたいかじっくり考えてきてください」と