私は数年前まで、宮城県のネッツトヨタ仙台で営業マンをしていました。自分で言うのも気恥ずかしいのですが、売上げは社内でも常に上位にいたと思います。 ところが、ある日いきなりアルツハイマー病の初期と診断されたのです。2013年、私が39歳の時でした。 「なんで、なんで……」 目の前が真っ暗でした。ネットで認知症のことを調べたら、「何も分からなくなる」「徘徊する」「2年後には寝たきり」といった悪い情報ばかりが目に入ってきます。このとき「私の人生は終わった」と思いました。 でも、私には妻と娘が2人(中学生と小学生)いました。私と私の家族は、これからどうなるのだろう。不安でいっぱいでした。 そんな時に出会ったのが「認知症の人と家族の会」(以下、「家族の会」)でした。周りから「大丈夫だよ」と言われても、「お前らにこの気持ちがわかるか」と反発していましたが、同じ認知症当事者と話をすると共感することが多く