ブックマーク / why.kenji.ne.jp (2)

  • 春と修羅

    目次へ 縦書き 春と修羅 (mental sketch modified) 心象のはいいろはがねから あけびのつるはくもにからまり のばらのやぶや腐植の濕地 いちめんのいちめんの諂曲〔てんごく〕模様 (正午の管楽〔くわんがく〕よりもしげく 琥珀のかけらがそそぐとき) いかりのにがさまた青さ 四月の気層のひかりの底を 唾〔つばき〕し はぎしりゆききする おれはひとりの修羅なのだ (風景はなみだにゆすれ) 碎ける雲の眼路〔めじ〕をかぎり れいらうの天の海には 聖玻璃〔せいはり〕の風が行き交ひ ZYPRESSEN春のいちれつ くろぐろと光素〔エーテル〕を吸ひ その暗い脚並からは 天山の雪の稜さへひかるのに (かげらふの波と白い偏光) まことのことばはうしなはれ 雲はちぎれてそらをとぶ ああかがやきの四月の底を はぎしり燃えてゆききする おれはひとりの修羅なのだ (玉髄の雲がながれて どこで啼くそ

    underdog_slumber
    underdog_slumber 2015/07/29
    絶句
  • 春と修羅・序

    目次へ 縦書き 序 わたくしといふ現象は 假定された有機交流電燈の ひとつの青い照明です (あらゆる透明な幽霊の複合体) 風景やみんなといっしょに せはしくせはしく明滅しながら いかにもたしかにともりつづける 因果交流電燈の ひとつの青い照明です (ひかりはたもち、その電燈は失はれ) これらは二十二箇月の 過去とかんずる方角から 紙と鑛質インクをつらね (すべてわたくしと明滅し みんなが同時に感ずるもの) ここまでたもちつゞけられた かげとひかりのひとくさりづつ そのとほりの心象スケッチです これらについて人や銀河や修羅や海膽は 宇宙塵をたべ、または空気や塩水を呼吸しながら それぞれ新鮮な体論もかんがへませうが それらも畢竟こゝろのひとつの風物です たゞたしかに記録されたこれらのけしきは 記録されたそのとほりのこのけしきで それが虚無ならば虚無自身がこのとほりで ある程度まではみんなに共

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