これが五輪ということなのだろう。柔道の女子48キロ級で金メダル候補筆頭と見られていた福見友子(了徳寺学園職)は、今までに見たことがないくらいに硬かった。とにかくスピードがない。技や動きに切れもなかった。 ■準決勝は不用意に攻めて… 1回戦の試合前、両手を何度も口元に持っていって息を吹き掛けるようなしぐさをしていた。普段はあんなことをする子じゃない。調整の失敗もあったのかもしれないが、やはり緊張が大きかったのだろう。27歳のベテランにとっても、五輪の畳は立った人にしか分からないものがあったのだと思う。 そんな状態でも何とか勝ち上がっていったから、尻上がりに調子が上がるかと思ったが、敗れた準決勝、3位決定戦はやはり硬くなってしまっていた。 準決勝は不用意に攻めてしまった。技を返されると思ったら、普通は途中で引くのに、あのときの福見はいつもと違って反応が遅かった。 3位決定戦は奥襟を取られるなど