2005年12月21日。元春が'80年代に発表したアルバム8タイトルが、紙ジャケット&リマスタリングで蘇る。オリジナルのLP盤がそっくりそのままCDサイズにミニチュア化された紙ジャケだけでもファン心をくすぐるが、さらに注目したいのがリマスタリング作業によって「蘇った」サウンドの素晴らしさだ。元春自身も「サウンドを聞いたとき、本当に感動して涙が出てきた」と言うほど、ブラックビニールのオリジナル盤が持っていたサウンドの情感が忠実に再現されている。そこで今回は、サウンド&レコーディングマガジンの國崎編集長をホストに、'80年代~'90年代の作品を多く手がけたマスタリングエンジニアである田中三一氏、そして2000年以降の作品と今回のリマスタリング盤を手がけた前田康ニ氏を迎え、元春との4者対談の模様を、全4回でお伝えしたい。 國崎●まずはこの対談を読んでいる佐野元春ファンのために、「マスタリングとは