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私はその昔、夢野まりあという女優さんが妙に好きで、彼女に取材させてもらえることになったときはとても喜んだ。ちょっとアメリカンポルノみたいな感じの、人気のある女優さんだった。私が彼女に取材できたのは、彼女が人気の全盛期を過ぎて、少し年齢を重ねてきてからのことだった。 夢野まりあは取材に遅刻してきた。遅刻するところも「すみませ〜ん!」と言いながら駆け込んでくる姿も、心からいいなぁって感じで、私は全然いやな気分になんかならなかった。 「ちょっとごめんなさい、写真撮るんですよね? メイクしてもいいですか?」と言って彼女は化粧ポーチを3、4つバッグの中から取り出した。「もちろんいいですよ、どうぞ」と言うと、彼女はなんとマニキュアから塗り始めた。マニキュアが乾くあいだに、爪に当たらないよう器用にメイク道具を駆使して、ファンデーション、チーク、アイライン、アイシャドウ、マスカラを塗っていった。時間はさほ
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