櫛野展正連載21:アウトサイドの隣人たち それでもつくり続ける「蟻鱒鳶ル」ヤンキー文化や死刑囚による絵画など、美術の「正史」から外れた表現活動を取り上げる展覧会を扱ってきたアウトサイダー・キュレーター、櫛野展正。2016年4月にギャラリー兼イベントスペース「クシノテラス」を立ち上げ、「表現の根源に迫る」人間たちを紹介する活動を続けている。彼がアウトサイドな表現者たちに取材し、その内面に迫る連載の第21回は、東京・三田で《蟻鱒鳶ル(ありますとんびる)》をつくり続ける岡啓輔を紹介する。 文=櫛野展正 《蟻鱒鳶ル 》の前に立つ岡啓輔 東京・三田にある古代中世に高野聖が開いた通行路として知られる「聖坂」。坂の中腹にはクウェート大使館などが立ち並ぶ景観のなか、マンションに挟まれるかのように聳え立っているのが、コンクリート造りの《蟻鱒鳶ル(ありますとんびる)》だ。 この建物は着工から12年経ったいまで
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