トヨタ生産方式の「自働化」と並ぶ2大基本理念の1つである「ジャストインタイム」について、読者の皆さんと深掘りしています。今回は、官公庁と民間企業における「お金と時間」に対する感覚の違いと、トヨタにおける「ジャストインタイム」展開のあらましについて触れてみたいと思います。 「年次」の官公庁、「月次」の民間企業 2月末から3月にかけて、筆者は花粉で季節を知りますが、一斉に行われる道路工事で季節を感じる方も多いと思います。「赤字になると叱られ」「余ると削られる」ので、ピッタリ予算を使い切るために、工事が期末に集中すると言われています。 ちなみに国家予算は6月から編成が始まり、様々な折衝を経て12月に国会に提出されます。3月に可決成立すると、4~9月で省庁末端までの配分を決め、10~3月で一銭も残さず使い切るのだそうです。 これは江戸時代のお百姓の立場で見れば、前年度働いて納めた年貢米が春までに現