日本の国産品種「甲州」を使った白ワインで海外に挑む。フランスからボルドー大教授を招聘して品質改良を積み重ねた。近隣ワイナリーとの16社連合で欧州市場攻略プロジェクトにも乗り出した。 「2012年頃にはワインに使える実がなるでしょう」。7月中旬、中央葡萄酒の三澤茂計(しげかず)社長は、今春植えたばかりで高さが70cmほど伸びたブドウの苗木をいとおしそうに見守っていた。 「グレイスワイン」のブランドで知られる中央葡萄酒の本社がある山梨県甲州市勝沼町から車で20分ほど。山梨県北杜市明野町に8ヘクタールの広大なブドウ畑を拓いたのは2002年のことだ。「太陽の村」と称されるほど日本一の日照量を誇る明野村は、ワイン用のブドウを栽培するには最適だと見込んだ。これまでメルロー、カベルネ・ソーヴィニヨン、カベルネ・フラン、プティ・ヴェルド、ピノ・ノワールといった外来品種を育ててきたが、満を持して国産品種「甲