ダニの「ワクモ」に血を吸われた鶏は産卵しなくなったり、貧血で死んだりする。養鶏場の鶏を守ろうと、府職員の女性が企業と協力して捕捉器を完成させた。狭い場所に入り込む習性に目をつけ、面ファスナーで捕らえるアイデア商品「ワクモホーム」だ。特許を取り、6月から販売され始めた。 開発者は、京都府農林水産技術センター畜産センター(綾部市)副主査の上羽(うえば)智恵美さん。獣医師の資格をもち、2014年から被害を防ぐ研究を始めた。 畜産センターによると、ワクモは成長すると体長1ミリほどになる。日中は鶏舎の隅や設備の隙間にひそみ、暗くなると出てきて鶏の血を吸う。とくに窓がなく気密性が高い鶏舎は被害が大きい。温度や湿度が一定に保たれた環境が、ワクモにとっても快適らしい。 上羽さんは「人も刺されると…