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ブックマーク / crisscross.jp (3)

  • +++『殺人の追憶』ポン・ジュノ 文:大場正明+++

    ポン・ジュノ監督の『殺人の追憶』の冒頭には、こんな一文が浮かび上がる。「この映画は1986年から1991年の間、軍事政権のもと民主化運動に揺れる韓国において実際に起きた未解決連続殺人事件をもとにしたフィクションです」。映画のもとになったのは、「ファソン華城連続殺人事件」。86年から91年にかけて、ソウルから南に約50キロ離れた農村の半径2キロ以内で起きた10件に及ぶ連続強姦殺人事件だ。その捜査には180万人の警官が動員され、3000人の容疑者が取り調べを受けたという。 映画は、86年10月、稲穂が頭をたれ、子供たちが戯れるのどかな農村の風景から始まる。だが、広々としたその田の用水路から、手足を縛られ、頭部にガードルを被せられた若い女性の死体が発見され、やがて連続殺人事件に発展していく。事件の捜査の先頭に立つのは、地元警察のパク刑事とソウルからやって来たソ刑事。叩上げの経験と強引な手段で勝負

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    urahayate 2013/08/12
  • ジョエル=ピーター・ウィトキン

    ジョエル=ピーター・ウィトキンの写真群には、一見すると悪趣味ともとられかねないグロテスクな肉体や、もはや人体と呼ぶことも不可能な残骸であふれかえっている。 それは、手術途上の性転換者や死んだ胎児、手足が変形してしまった女、異様に肥満した女、解剖中の屍体や小人などである。 これらの肉体、あるいはその残骸は、骸骨、十字架、多種多様なマスク、天使を思わせる羽といった小道具や猿、犬、馬などの動物と組み合わされ、暗く薄汚れた廃屋のようなセットを背景に、ひとつのイメージにまとめあげられる。 たとえば、黒いベールをかぶった裸の女が、その豊かな胸の前に抱えているのは物の老人の首であり、途方もなく肥満した女は、ヴァギナに人参をつき立て、おなかの大きな妊婦は、不気味な仮面で顔を覆い、蛇を抱きかかえている。 また、ひとつの首の左右の横顔がおぞましい接吻をかわし、断末魔の表情をたたえた猿が十字架に磔にされている

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    urahayate 2012/02/29
  • +++ブラック・ダリアと虚偽記憶シンドローム――事件の暗闇に囚われた人々の物語 文:大場正明+++

    1947年にロサンジェルスを震撼させた ”ブラック・ダリア事件” をご存じだろうか。 この年の1月15日、ロス市内の空き地で、若い女の全裸死体が発見された。その死体は、腰のところで真っ二つに切断され、顔は痣だらけのうえに口が両端から耳まで切り裂かれ、乳房には煙草の火を押しつけられた跡や切り傷があるなど、身体中に残酷な仕打ちが加えられていた。また、死体はすっかり血抜き、 洗浄され、遠目にはまるでマネキン人形のように見えた。 被害者は、22歳のエリザベス・ショート。スターに憧れてハリウッドにやって来たものの、娼婦まがいの生活を送っていたことがわかった。彼女は漆黒の髪で、いつも黒い服を身につけていたことから、"ブラック・ダリア"と呼ばれることもあった。それを知ったマスコミはこの愛称に飛びつき、彼女は、 名よりもブラック・ダリアとして有名になることになった。警察は、大々的な捜査を繰り広げたが、事

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    urahayate 2006/10/29
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