初めての国外旅行に出たとき、自分はDTだったし、当時の自分の観測する世の中の決まりの中では、国外に出ることなしにきちんとしたPLAYBOY誌を合法的に読む方法はなく、きちんとしたPLAYBOY誌を合法的に読む以外には、ウーマン(すばらしい神様が創造されたこの世で一番すばらしいあちら側の生き物)の2本の足のあいだの付け根にあるものの姿かたちを知る方法がなかった。のちにK子園で華麗なプレーを見せつけて「Dリーグで活躍」することになるクラスメイトとその仲間たちが、クンニリングスをすべきか否かを熱く語り合う夏の日の男子校の昼休みの教室で、俺は机にうつ伏せたまま、旅行会社に電話をかけて、まずなんと言えばいいのだろうか、いつだったら家族の人に詮索されずに電話機を使うことが出来るだろうか、パスポートはどうやって取るのだろうか、それを忘れたら飛行場でどうなってしまうのだろうか、などと、いろいろ考えていた。
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