安藤尋「blue」2003 手をつないで走り出す制服の仰角の少女ふたり …映画「blue」のキービジュアルをみるとなぜか渋谷警察署向かいの山下書店を想いだす。その頃、やたらとそこにいっていたのである。おそらくそこで川内倫子の「blue」の写真集を繰り返し開いていたのであろう。これをポストカードにした宣材がとても好きで、会社のパーテーションにずっと貼っていた。それがなくなると自室のドアに貼っていた。すなわち乙女チックなまでにその写真が好きだった。 過日、「ジョゼと虎と魚たち」(渡辺あや)のシナリオを読もうと想いたって「03年鑑代表シナリオ集」を手にすると、一緒に本調有香「blue」のシナリオが収められていた。安藤尋による映画の脚本である。夢の超特急・湘南新宿ラインの車中でいっきに読んだ。「桐島」「遠藤」…名字の呼び捨てで呼び合う硬質なトーンが心地よかった。あだ名で呼び合う「あの花」をちょこち